2013年9月11日水曜日

合格ラインを決める「政策」とは

宅建の合格ライン(合格判定基準)は"政策"で決まるのですが、この"政策"とはどのようなものか? について書きます。

(1)宅建試験を行うのは知事 


受験者の皆さまが願書を提出した先は、試験実施の「協力機関」です。
私が住んでいる千葉でいえば"千葉県まちづくり公社"が協力機関になります。

各都道府県の協力機関は、皆さまが提出した願書を試験実施機関に集約させます。
その「試験実施機関」が"不動産適正取引推進機構"という所です。RETIOとも言われます。

でも、宅建試験を行うのはRETIOじゃないです。
RETIOは、都道府県知事から宅建試験の実施を委託されたに過ぎない「試験実施機関」です。

宅建試験を「行う」のは、あくまでも知事なので注意して下さい。

このことは、宅地建物取引業法第16条1項に、宅建試験を「行う」のは知事の義務であることが、ちゃんと書いてあります。
宅地建物取引業法第16条1項の原文

ここを間違えると、合格ラインを決める政策がどのようなものか? について、最初から変な方向に向かってしまうことになります。

(2)合格ラインは知事が決める政策


宅建試験を「行う」(主催する)のは、あくまでも知事です。
だから、合格ラインは知事が決める政策なのです。

こんなこと、法律を全然知らない人にとっても当然の話ですよね。
お祭りでも何でも同じです。
いろいろな事を決めるのは主催者(宅建で言えば宅建試験を「行う」知事)に決まってますもんね!

3)合格ラインを決める政策は、ややこしい


我が国には47もの都道府県があるので、知事も47人います。
その47人が会議を開いて、「今年の合格ラインは33点にしよう! いや34点がイイ!」なんて揉めるので、合格ラインを決める政策は、ややこしい事になることもあります。

見てきたような事書いてますが、宅建合格ラインの決定だって"お上"の政策です。
お上には法律上の守秘義務があるので、この政策が公開されることはないです。

そこで迷物講師が書くことは、法律・命令・規則等で公開されているものを除いて、長年の経験に基づく"推測"が入ることをお許し下さい。

(4)知事は、自分では会議に出席しない


我々が報道等で知るように、例えば東京都の猪瀬知事のスケジュールは超多忙です。知事職はどこの都道府県でも、相当お忙しいです。
そこで、宅建試験の合格判定会議に知事が直接出席した事例は、昭和63年以降一度もないはずです。

じゃ誰が出席するかと言えば、各都道府県の担当部署のかたです。
各都道府県2人ずつの担当部署のかたが、出席するらしいです。

したがって、その会議体は2×47都道府県=94人で構成されますが、その他に、国土交通省の役人等も出席するらしいです。

そうなると、総勢100人を超える関係役人で、合格ラインを決める政策が執行・決定されることになります。

なおその会議体は、"宅地建物取引業法主管者協議会"というのが正式名称のようです。

(5)合格ラインを決める政策に影響を与えるもの


合格ラインを決める政策は、さらにその上にある、国家の政策によって大きく影響されます
 ・ 国際的観点からの国家政策(例:TPP)
 ・ 国内の景気対策からの国家政策
 ・ 資格試験の質的向上を図る国家政策
など、いろいろな国家政策の影響を受けるわけです。

合格ラインを決める政策は、その意味でも、ややこしいものです。

 ・ 国際的観点からの国家政策(例:TPP)
 ・ 国内の景気対策からの国家政策
については、報道等でおなじみの経団連の不動産関連部署等が、合格ラインに口を出して来ることも十分推測できるし、役人も将来の天下りのことを考えると"経団連は民間団体なんだから黙ってろ!"と無視するわけにも行かず、結構ややこしいものになっちゃうらしいのです。